date:2008.6/21

ヒゲを剃っている最中にテレヴィのほうへ顔を向けようとしてアゴのあたりを少し切ってしまう。そんなわけでカットバンを張りつけて出社。お昼休みに「黄色い壁紙」読了。これは凄い。というか怖ろしい。たとえば黒沢清映画とリングが重なり合った感じ。でもここで描かれていることは完全に小説の領分。まさに怪奇小説と呼ぶに相応しい。線引きされていたはずのじぶんとじぶんじゃないものとの境界があっという間に崩れ去るときの分裂感。こっちが主人公の女性であっちが壁紙に潜む女性で、こっちが壁紙に潜む女性であっちが主人公の女性?あーもう!ややこしいやーややこしや、チン。その前に読んだ「追われる女」もそうだったけど、おぞましいものを語るときの喩えが「毒きのこ」なのは偶然なのだろうか。今度から、目を背けたくなるものは全部毒きのこと呼んでしまいたい衝動に駆られる。仕事が終わって帰宅すると注文していたCDのうち1枚が到着している。BURRIED MACHINE『AUSTIN』って作品。さっそく聴いてみる。クラシック・ホラー映画を題材にしたカセットテープ・コラージュということなんだけど、やけにカッコイイ。初っ端。男性が語るフレーズが延々リピートされ、次第に速度を変えられ、やがてズレた輪唱のように連なり、そこからノイズや悲鳴、笑い声などの様々な音が統合と拡散を繰り返しながら不穏な世界を暴力的に描き出す。ある意味「黄色い壁紙」的なものも感じてしまう。そのあとはずっとラジオを聴くことに。久しぶりにキャスティング・ボードの番組を聴いた。今月のパワープレイとして河相我聞の曲をセレクトしたり地元の歌としてダジャレを言いまくったりと相変わらずなノリでくだらない。もちろん誉め言葉。